連携事例

産官学連携の“アカデミックなダイビング”で、SDGsにも貢献!

石垣島の貴重な資源を未来へ繋げるために、産学官が連携した特別なダイビング体験『石垣島屋良部沖海底遺跡 セレクテッドスペシャルティダイバーコース』を開設しました。

九州大学大学院浅海底フロンティア研究センターと石垣市教育委員会、また地元ダイビングサービス2店の連携により、レジャーダイビングに訪れた人たちに、美しい海を楽しみながら、琉球王国の歴史を学んでもらうプログラムです。

産官学が連携し、地元の海洋資源である水中文化遺産を地元の力で活用しながら継承していき、その保護に力を注ぎながら、SDGsに貢献します。産官学が連携したこのような試みは日本で初めてとなります。

屋良部沖海底遺跡は、海洋国家琉球王国(15~19 世紀)の繁栄を象徴する遺跡です。海底には沖縄島で焼かれた壺屋焼きの壺を積んだ沈没船が眠っており、その周辺には船の停泊具である四爪鉄錨がたくさん沈んでいます。ここには、歴史的文献に書かれたことが海底にまさに物証として残され、今でも見学することができます。

九州大学大学院浅海底フロンティア研究センターは、この石垣島屋良部沖の海底遺跡の調査研究を行っており、この研究成果を地元で活用する取り組みとして、石垣市教育委員会及び地元ダイビングサービス2店と協力し、ダイビング体験コース「屋良部沖海底遺跡スペシャルティダイバーコース」を2022 年3月1日に開設しました 。

レジャーダイビングに訪れた人たちは、研究者が作成した専用教材を使用して水中考古学のトレーニングを受けた地元のガイド・インストラクターから、この海底遺跡の歴史についての講習を受けることができます。水中文化遺産の価値を理解したダイビングサービスがダイビングを継続的に行い、遺跡のモニタリングやその保護に力を注ぐことができます。

九州大学大学院浅海底フロンティア研究センターでは、沖縄の海の文化遺産をアカデミックなダイビングとして学び楽しむコースを「Okinawa Underwater Archaeological Heritage Specialty Diver」シリーズとして、持続可能な水中遺跡の教育普及のために展開していく予定です。今回の屋良部沖海底遺跡のコースは記念すべき第一弾となります。

コースの詳細などはホームページをご覧ください。

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撮影:山本 遊児
Ⓒ沖縄県立埋蔵文化財センター
Ⓒ九州大学 菅 浩伸