research results

Russian-Soviet Civilization and Its Transborder Network Revisited from Kyushu

Faculty of Human-Environment Studies, Lecturer, Sanami Takahashi

研究内容・成果 
本研究プログラムの目的として、ロシア・ソヴィエト文明を日本にとっての「西洋」でありながらズレを含む両義的でオルタナティヴな文明としてとらえ、以下の2つを掲げた。
①その価値観の基軸について分野横断的かつ総合的に再検討すること
②ロシア・ソヴィエト文明の越境性について、九州を基軸に検討すること
 

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第一の目的については、2022年2月に始まったロシア・ウクライナ全面戦争を踏まえての再検討が行われた。まず、2022年9月20日に九州大学にて人社系学際協働コモンズの場を借りて、「ロシア・ウクライナの歴史と文化を考える」と題するシンポジウムを行った。また、2023年7月30日には、学内外からウクライナ及び台湾の専門家を招き、ワークショップ「台湾・ウクライナ比較研究」を行った。
第二に関連しても、2回の研究会を催した。2023年12月に「日本シベリア学会第9回研究大会」に共催参加し、本研究プログラムについての紹介を行った。さらに2024年3月には、再び人社系学際協働コモンズと共催して、「「歴史総合」時代のロシア史」と題するシンポジウムを行った。これによって、次世代育成や高大連携といった課題を視野に入れつつ、「歴史総合」の試みのひとつとして、九州とロシアのかかわりを宗教や文学の側面から検討した研究を紹介した。

今後の展望
本研究を通じて、九州地方を管轄していた日本正教会の聖職者が満州、朝鮮、台湾の管轄をも担当していたことを知った。日本の植民地政策と日本正教会のかかわりについては、これまでもいくつかの研究があるものの、それらは日本正教会の聖職者に焦点を絞ったものである。一方、正教世界のグローバルな動向に目を向けてみると、20世紀以降の地方正教会間の管轄領問題について、近年大きな関心が向けられている。今後、日本正教会の植民地管轄問題について、こうしたグローバルな正教会地政学の枠組みで再検討することが可能ではないかと考えている。

融合分野
歴史学、文化人類学、文学、哲学

 

研究キーワード
ロシア史、ソヴィエト文明、九州、越境

 

ポスターはこちら

Related Researchers
Faculty of Human-Environment Studies Lecturer Sanami Takahashi
Faculty of Social and Cultural Studies Lecturer Kana Matsueda
Tohoku University Assistant Professor Ai Sazaki
Faculty of Languages and Cultures Professor Masanori Sato
Faculty of Arts and Science Associate Professor Koji Kanayama
Kyushu Institute of Technology Associate Professor Hirofumi Saito
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